病気にかからない為には、日頃から体の免疫機能を良い状態にキープしておくことがとても大切です。私たちの体を細菌やウイルスから守る働きをしてくれている免疫は、食事・運動・睡眠をはじめとしたストレスや生活習慣など、様々な要因に影響を受けることが明らかになっています。ここでは「腸内環境」と「免疫」の深い関係について知っていきましょう。
腸活で免疫力は上がるのか
私たちは口から食物をとり入れ、とり入れた食物が胃や腸を通り、排出されます。口からは食物以外に、さまざまな細菌やウイルスが侵入してきます。腸はこれらの外敵にさらされる機会が多いため、免疫機能が備わっています。免疫に関わる細胞の6割以上は腸に存在しており、腸は体内で最大の免疫器官と言われています。この腸の健康を保つ事が、免疫力をアップするカギと言えます。腸が健康な状態とは、腸内細菌のバランスが整った状態のことを言います。腸には善玉菌、悪玉菌、日和見菌(善玉、悪玉どちらでもない菌)という、腸内細菌が存在し、その種類は数百種類以上、個数は100兆個にも上ります。善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割という割合が良いバランスと言われています。
免疫力アップにオススメの食べ物
ポイントは、食物繊維とオリゴ糖
「腸活」と言えばヨーグルトを食べるだけという考え方の時代はもう終わりつつあります。「腸活」を効率よく進めるために、日頃の食生活で意識をしていただきたいのは、ヨーグルトや乳酸菌飲料などから生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を摂るだけでなく、私たちの腸内に元々棲んでいる善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」を摂ることです。「プレバイオティクス」には様々なものがありますが、代表的なものは、食物繊維とオリゴ糖です。
食物繊維は、野菜・果物・きのこ・海藻類・豆類・未精製の穀物など植物性の食品に多く含まれています。オリゴ糖は、善玉菌のうち特にビフィズス菌の栄養源となって効率的に増やす働きがあり、腸活の強い味方となってくれます。
オリゴ糖は、玉ねぎ・ごぼう・バナナ・甜菜糖などの天然の食品にも含まれていますが、特定保健用食品としても認められていることから、最近ではオリゴ糖を手軽に摂れる様々な商品が販売されているので、ぜひ試してみてください。
一日にどのくらいの量を食べればいいの?
食物繊維は、腸内細菌のエサとなります。また、便通を良くする役割もあります。食物繊維量として、1日に18~19gが目標量となりますが、3食野菜を摂っていても達成が難しい量です。生野菜だと両手に山盛り1杯、加熱野菜は片手に山盛り1杯を3食、それに加え、きのこや海藻類を積極的に摂りましょう。
オリゴ糖の一日当たりの摂取量は約5gが目安とされているます。色々な食材からオリゴ糖を毎日摂取するのは大変ですよね。しかし市販されているオリゴ糖なら、コーヒーや紅茶に入れる砂糖をオリゴ糖に変えるだけで簡単に摂取できます。これなら毎日無理なく続けられますね。
食生活以外も気をつけて免疫力をアップさせましょう
さまざまな食材をバランスよく食べることが免疫力を高めるためには必要なことです。しかし、食生活以外にも見直せることがあります。まず心がけたいのが、適度な運動習慣と規則正しい生活。排便リズムが整い、免疫力UPにつながります。そして、ストレスを適度に解消すること。ストレスを受けている状態が続くと、自律神経のバランスが乱れて免疫力低下を引き起こすことがあります。ストレスを溜めないように意識していきましょう。